鬼の星
ヤマケイ
「鬼は外、福は内」と言いながら、私たちは毎年2月に鬼と出会っています。 でも、です。そもそも鬼って何でしょう?なんで外に追いやられなきゃいけないのでしょう。 この「なんで?」を一緒に考えてみませんか? 実はいろんな鬼が日本中にいるんです!見たこともないような鬼もいれば、切ない鬼もいたりします。 私と一緒に日本の鬼を楽しみませんか?
[山崎敬子/やまさき・けいこ]1976年生まれ。実践女子大学院文学研究科美術史学専攻修士課程卒。大学2年から民俗芸能学を学び、全国の祭礼を見て歩く。現在、玉川大学芸術学部や学習院大学さくらアカデミーなどで民俗芸能の講座を担当するほか、(一社)鬼ごっこ協会・鬼ごっこ総合研究所や (株)オマツリジャパンなどで地域活性にも取り組んでいる。著書に『都道府県別にっぽんオニ図鑑』(じゃこめてい出版 2019年)。(プロフィール撮影:萩原楽太郎)
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ヤマケイのウワサ
【鬼は神仏になる】
鬼というと桃太郎の鬼や節分の鬼、妖怪、大盗賊など怖いイメージを持つことも多いはず。祭礼に登場する鬼はむしろ怖くないどころか神であったり仏であったり。そして古事記・日本書記にも「鬼」という記述はあるが、時に「モノ」「カミ」と読んでいる。
【鬼を追う人が追われる人に...】
鬼のはじまりにはいくつかの考え方がある。平安時代の百科事典『和名類聚抄』では、鬼は「隠(オヌ)」、つまり隠れていて見えない存在だと説明されている。また、亡くなった人の霊が鬼になるという考えもあった。当時は節分に似た「追儺(ついな)」という行事があり、「方相氏(ほうそうし)」という役の人が鬼を追い払った。金色の四つ目の仮面をつけ、赤と黒の衣装で子どもたちを従えて鬼を追い立てたが、その姿があまりに不思議だったため、鬼を追う人なのに鬼そのものと勘違いされることもあったという。
【さまざまな鬼】
祭りに登場する鬼は、怖いだけの存在ではなく、地域ごとにいろいろな役割を持っている。たとえば秋田の男鹿のナマハゲは、1年の実りを願って家々を訪れる。ほかにも、春を知らせる佐渡の鬼太鼓の鬼、大分県豊後高田市には仏の使いとして現れる修正鬼会、戦国武将の加藤清正に由来する宇和島の牛鬼、鐘を背負って歩く三重県伊賀市のひょろつき鬼、など、各地に個性豊かな「ご当地鬼」がたくさんいる。言い出すときりがないほど、日本にはさまざまな鬼がいるらしい。
【鬼がスイーツに】
節分では大豆をまく人が多いが、沖縄では餅で鬼退治をした伝説があり、その退治で用いた餅は現在「鬼餅(ムーチー)」として沖縄限定スイーツになっている。
【興味を持ったきっかけ】
新しくできた団地で育ったため、地域の祭りに参加する機会がほとんどなかったんだって。神輿を担いで集まる人たちの姿が、少しうらやましく感じられた。その反動で読書に夢中になり、日本美術史に興味を持って大学では美学美術史を学んだ。転機になったのは、大学2年(19歳)のときに受けた「民俗芸能論」の授業。そこでは、祭りに鬼が神のような存在として登場することを知り、これまでの「怖い鬼」というイメージが大きく変わった。「その鬼には、どこへ行けば会えますか?」――先生にそう聞いたことが、人生の分岐点になったのだとか。
【筆ペンで落書き】
特技は喫茶店の紙ナプキンに筆ペン落書きをする事。喫茶店でカフェラテを頼み、紙ナプキンを1枚頂戴し、そこに筆ペンで一筆したためる。時に追加でボールペンで絵もかく。
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